ヨーロッパに来て9年が経ちました。
ドイツのミュンヒェン、そしてアウグスブルクがすべての始まりの地でした。
1年目は通学と勉強に必死で、
アウグスブルク音楽大学(今は無くなってしまいましたが)に住み込んでいるような状態でした。
ミュンヘンから通学していたのですが、その通学の電車ではいつもぐったりと眠り込んでいました。
たくさんの発見や体験があり、見るものすべてが新しく、
素敵な事そして辛い事もありました。
2年目はオペラスタジオの奨学生に選ばれ、
ニュルンベルク劇場で1年間素晴らしい体験をしました。
プロのオペラ歌手として働く事がどういうことかを初めて学んだ年でもありました。
3年目と4年目はようやく住み慣れた南ドイツを離れ、オーストリアのリンツ州立劇場へ。
正式にプロとしての出発でした。
たくさんのオペラに巡り合い、たくさんの友達にも恵まれました。
舞台に立つ喜びがとても大きくて仕事に対して心躍らせていた時期でした。
5年目以降はまたドイツでの生活です。
ハノーファー国立歌劇場はこれまで専属で歌ってきた劇場の中でも一番大きくレパートリーも広いので
声のボリュームや演技の鋭さも問われます。
課題は後を絶ちませんが、初心を忘れずに丁寧に仕事をしていくように心がけています。
レパートリーがドイツオペラに偏りがちなので、
これからはもっとイタリア語やフランス語にも力を入れていきたいです。