ワーグナーのオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を見ました。
しかも本場バイロイトで!
バイロイト音楽祭のためのゲネラルプローべ(本番同様に行われる最終稽古)だったのですが、
驚いた事に2千人近く入る客席は一杯でした。客層も様々な上とっても国際的。
ジーンズの人もいればタキシードに身を包んだ紳士までいます。
こんなゲネラルプローべを体験したのは初めてでした。
舞台で歌う歌手たちは、やはり安定していて落ち着いて楽しむ事ができました。
合唱団の大きさにはかなり驚きました!ありえない人数でした。150人は越えていたように思います。
演出はとってもわかりやすく出来ていました。
そして…ドイツでは良くある事ですが、やはりここでもヌードの男女が…。
あちらこちらに大変お下品で幼稚だなと思われるシーンがありました。
バイロイト音楽祭は一種独特なイベントだなあと思いました。
オペラだけを楽しむために来ている人がどのくらいいるのか考えさせられました。
なぜなら、オペラ界、クラシック音楽業界を取り巻くたくさんのお偉方が集まっているからです。
知り合いや業界の人間に会って情報を交換し合ったり、音楽業界について語り合ったり、
おおらかにのんびりオペラ鑑賞…というよりは「社交の場」といった印象を受けました。
劇場の内部はすべて木で出来ています。その豪華さといったら!
あの雰囲気を直に感じて、自らの肌で音楽を体験するというのは大変貴重な事だと思いました。
オーケストラピットは蓋をしたような構造になっており、客席からは指揮者もオーケストラも見えません。
巨大な編成であるにもかかわらず、どこか遠くから聞こえてくているような感じで、
その響きに慣れるのに少し時間がかかりました。
その抑え気味な響きは、私がこれまで聞いてきた響きとまったく違い、実に繊細でした。
一生で一度かもしれないこの体験は、実に貴重でした。
ワーグナーのオペラは実に長く、休憩を入れて6時間位かかります。
でも歌舞伎を見る感覚とあまり変わりませんでした。
休憩にはピクニックをしたり、周辺を散歩したり…
気軽に楽しむ事が出来ました。
そうそう、一つ忘れてはいけないのが「座布団」です。
出来ればお尻と背中に2枚持参するのがいいと思います。